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インプラント治療に向かない人

2019年11月16日

インプラント治療は20世紀最大の歯科治療の進歩と言われています。
ノーベル賞に歯科部門が有れば、インプラントは受賞間違いないでしょう。
ですから、歯が無くなってしまった状態のほとんどの人はこの治療の恩恵を受ける事ができるのです。

しかし、例外のない規則はないに倣い、やはりインプラント治療に向かない人もいます。どの様な人なのでしょうか。

先ず、第一に
「生涯自立して食生活をしたい。」
「生涯自分の口で食事したい。(胃瘻になりたくない)」
「しっかりと会話して人とコミュニケーションを取りたい」
という願いが薄い方だと思います。

  • 歯が1本、2本無くても生活に困らないから、別にこのままでいいや
  • 歯医者は痛いし通うのは面倒だな
  • 昔から歯医者は嫌いだよな
  • 入れ歯を使ってみたけど煩わしいので使うのをやめた

このような方は結構多い気がします。

歯が無いままだと、中年以降はいろいろな弊害が出てきます。

★歯が無いままの弊害例

  1. 徐々に噛み合わせが変わってきます。
  2. 上下の歯が適切なところで噛めなくなります。
  3. それが原因で歯周病が進行します。
  4. さらに進行すると歯が動揺してきます。
  5. 上下の歯の抑えが効かなくなり、咽ることが多くなります。
  6. 姿勢が崩れて怪我をし易くなります。
  7. 下肢の骨折することもあり、年齢によってはそのまま寝たきり状態になります。

上記のような事に何ら関心も興味も持たず、歯が無いまま放置される方は向かないでしょう。

入れ歯が嫌なら、インプラントを試してみる価値があります。
自分の歯と全く同じフィーリングをインプラントに求める方も難しいと思います。
なぜならば、インプラントは人工のものだからです。
次に、インプラントは歯を抜く程度の手術が必要になります。これが絶対に嫌な人も難しいですね。
しかし、この難関を乗り切れば必ず明るい将来が待っていると期待出来る方は是非治療を受けて下さい。人生が変わる事請け合いです。

全て歯を失った時の選択肢

全ての歯を失ったならば通常、総入れ歯が一般的な治療法になります。
これは歯茎全体に入れ歯が覆われるため、違和感はかなり強くなります。

総入れ歯の最大の欠点は味覚、発音、咬合力の低下です。
かつて平均余命が70歳台の時は不自由な期間があっても短かったのですが、近年女性のそれは約90歳になり長期間に渡り総義歯の不自由さを強いられます。

命ある限り自分で食事をしたいという意欲のある方は、是非インプラント治療を決意してください。

入れ歯では到底味わえない味覚、発音、会話の世界が待っています。
「食事の時、味が良いので積極的に会合に参加したい。」
「発音が明瞭なので、いろいろな話がしたい。」
「人とコミュニケーションがとりやすくなり、出かける機会が増えた」
「転びにくく、怪我をしなくなった」etc.
歯の治療から色々な可能性が引き出されます。

実はこれだけではないのです!!
認知症の予防に大変良いのです。
義歯よりインプラントの方が噛むときの力が発揮されそれが血液のポンプ作用を促し脳内の血流が良くなります。
認知症の原因は脳内の血流低下による、タンパクのゴミの蓄積(βアミロイド)と言われています。血流が良くなるとこれらの「ゴミ」が流されますから認知症になりにくいのです。
さらに誤嚥を防ぎます。気道と食道の切り替を行う、線路のポイントの役目を担う「喉頭蓋」の動きが機敏になるのです。

ただ、かなりの長期間(20~30年以上)既に入れ歯を使用しており、食事に何も不自由なく誤嚥を起こさず、会話も可能で日常生活に支障がない場合は、総義歯を継続して使用されたほうが良いでしょう。