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妊娠性歯肉炎

2011年04月29日

妊娠するとつわりのため丁寧な歯みがきができなくなったり、妊娠中に分泌される女性ホルモンを好む歯周病菌が多くなるため、
口腔内が不衛生になりやすく、歯周病にもなりやすいと考えられています。
また、女性ホルモンの直接の影響から、歯ぐきから出血しやすくなります。このような病状を「妊娠性歯肉炎」といいます。
つまり、その原因は、「妊娠したこと」に加えて、「歯間部や歯とハグキの境目にたまったプラーク(菌のかたまり)」です。
プラークの除去には適正なブラッシングが大切です。

妊娠性歯肉炎を含め、歯周病の直接の原因は細菌感染ですが、細菌感染で歯周病がひどくなる人は罹りやすい因子を持っており、女性であることはその因子の一つです。
思春期になると、女性には女性ホルモンが多量に分泌され、歯肉の血液循環が増加して刺激に敏感になるからです。
また月経が始まるようになると、月経前のプロゲステロンの増加によって、歯肉に炎症が生じやすくなり、さらに妊娠による女性ホルモンの増加も、歯周病の罹りやすさの原因となります。
そのうえ女性の歯肉炎に特徴的な細菌は、歯と歯茎の間から染み出るエストロゲンを栄養にして、増殖します。
なお更年期障害や骨粗鬆症の治療では、主にエストロゲンが用いられるので、その副作用で歯肉の健康が損なわれるケースも多くあります。

出産後、ホルモンバランスが元に戻ることで、歯周病リスクが減り、歯肉炎の症状が一旦落ち着くこともあるでしょう。
しかし、原因のプラークをしっかりコントロールしていなければ、歯周病(歯肉炎・歯周炎)が進む可能性はおおいにあります。
歯周病は、痛みなどの自覚症状が少ない病気ですので、気づかないうちに病気にかかっていたり、進んでいたりすることもあるのです。
「気持ち悪くても、必ず寝る前には歯を磨く」など、自分で」ルールを作ると実行しやすいと思います。
また、歯ブラシを口に入れられなくても、うがいするだけでも効果的です。

さて、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には歯周病菌や虫歯菌はいません。周りの大人から伝染します。
赤ちゃんのお口の健康のためにも、歯科医院でアドバイスを受けながら、まずはお母さんがお口のプラークをしっかり落とすことを心がけてください。
当院ではお母様の状況に合ったマタニティデンタルケアを取り入れています。